手に取り眺め、しみじみと女性焼だと思わせる萩の優しさを称えた淡き桜色や白い艶やかな釉調、はかなさと柔らかさが同居して茶人に親しまれてきた名門伝統窯[萩]。
醸しだす温かい雰囲気は失われつつある気品と恥じらいの清楚な大和女性を思わせて人気を博して参りました。勇壮豪快な玄界灘の荒海を感じさせる唐津焼、無骨硬派な備前や伊賀などいわば男焼と比べ、萩焼のはかなげな女性的印象は今も愛好家や茶人の心をとらえて離しません。
前衛と伝統がしのぎを削る萩にあって、思わず私の足をとめさせ目を釘付けにした作家・・その名は福田隆。この度、彼の面取萩の逸品をご紹介させて戴きます。
優雅で繊細な造形美、更には朧げな独特の釉調。現代性と伝統を見事に融合させた風格の作風は、今後大いなる期待を抱かせてくれる稀なる逸材と申せましょう。
一点一点をおろそかせにせず真摯に作陶に取り組む姿勢も好感度抜群。朧刷毛目萩皿などにもキラリと光る独特の天与の感性を感じさせどの作品を見ても魅力に溢れています。正に彗星の如く躍り出た萩の逸材の一人と言っても過言ではございません。誠に恐るべき伝統の地・・是非この機会に逸品酒器コレクションの一点にお加え戴けますならば至福の喜びでございます。
葵画廊【美匠庵】ではネットショップも開設しております。ネットショップでは、福田隆の
新作ほか叶穂貴作品や陶板レリーフ作品もご紹介しておりますので、ご高覧頂けますならば
幸いに存じます。 葵画廊【美匠庵】 店主 敬白